駅伝えきでん
← 駅伝競走
馬を乗り継ぐ古代の制度だった「駅伝」は、こぼれてたすきをつなぐレースになった。
- 元の言葉
- 駅伝競走
- こぼれた部分
- 駅伝
- 種類
- 部分抽出 / 単独使用 / 意味変化 / 意味縮小
- 現在の意味
- 駅伝競走、古代の駅制と伝馬の制
- 信頼度
- 確実
意味の変化
- 古代の駅制と伝馬の制
- 駅伝競走(区間ごとに走者をつなぐ長距離競走)
- 「駅伝」が独立
- たすきをつなぐ長距離リレー競走
古代の駅制と伝馬の制 → たすきをつなぐ長距離リレー競走
何からこぼれた?
「駅伝」は「駅伝競走」の前半がこぼれた言葉です。デジタル大辞泉と精選版 日本国語大辞典は、どちらも「駅伝」の意味のひとつに「『駅伝競走』の略」を挙げています。
元々どういう意味だった?
「駅伝」はもともと、古代の駅制と伝馬の制を指す言葉です。精選版 日本国語大辞典によると、令制では諸道に約16キロメートルごとに駅を置いて駅馬を備え、郡家には伝馬を置きました。同辞典は『類聚三代格』(728)を初出の実例に挙げています。
いつ独立した?
精選版 日本国語大辞典は、読売新聞(1917年3月1日)の「奠都記念駅伝競争とすることになった」を「駅伝競走」の初出の実例に挙げています。同じ記事によれば、当初は「マラソン・リレー」という名称でした。日本大百科全書は、同年4月の東海道五十三次駅伝徒歩競走を日本初の駅伝競走とし、読売新聞社の土岐善麿が武田千代三郎と相談して古代の交通制度にちなみ「駅伝」と名づけたと伝えています(改訂新版 世界大百科事典は、土岐が東海道五十三次にちなんでつけたといわれる、と記します)。単独の「駅伝」がレースの意味でいつから使われたかは、現時点で確認できていません。
意味は変わった?
国の交通通信制度を指していた語が、たすきをつなぐ長距離リレーという特定の競技を指すようになりました。乗り継ぐ仕組みは共通していますが、対象は馬と役人の制度から走者とレースへ大きく変わっています。
今はどう使われる?
日本大百科全書が挙げる「箱根駅伝」「ニューイヤー駅伝」「全日本大学駅伝」のように、大会名でも「競走」を付けずに使われます。古代の制度を指す用法は、歴史の文脈に限られます。
なぜ定着した?
箱根駅伝が1987年にテレビで生中継されるようになって人気がさらに高まった(日本大百科全書)ように、正月の風物詩として広く親しまれたことで、短い呼び名が定着したと考えられます。
元の意味と今の意味
「駅伝」は、古代の公的な交通通信制度である駅制と伝馬の制のこと。「駅伝競走」では、区間ごとに走者が入れ替わるレースを、この乗り継ぎの制度にたとえた修飾部分だった。
- 駅伝競走「駅伝を見る」「箱根駅伝」のように、たすきをつなぐ長距離のチームリレーを指す。
- 古代の駅制と伝馬の制本来の意味。歴史の文脈で使う。
タイムライン
- 728精選版 日本国語大辞典は、古代の交通制度としての「駅伝」の初出の実例に『類聚三代格』(神亀5年・728)を挙げる。
- 1917年精選版 日本国語大辞典は、読売新聞(1917年3月1日)の「奠都記念駅伝競争とすることになった」を「駅伝競走」の初出の実例として挙げる。
- 1917年4月27日から3日間、京都・三条大橋から東京・上野不忍池まで23区間を走る東海道五十三次駅伝徒歩競走が行われる。
- 1920年東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)が創設される。
用例
正月は家族で駅伝を見るのが恒例だ。
作例・駅伝競走律令制のもとで駅伝の制度が整えられた。
作例・古代の駅制と伝馬の制
関連するこぼれことば
出典
- 「駅伝」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典)コトバンク(小学館)(2026-10-06 閲覧)
- 「駅伝競走」(精選版 日本国語大辞典・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)コトバンク(小学館・平凡社)(2026-10-06 閲覧)