ラップらっぷ
← ラップフィルム
「包むこと」だった「ラップ」は、こぼれて台所の透明な膜になった。
- 元の言葉
- ラップフィルム
- こぼれた部分
- ラップ
- 種類
- 部分抽出 / 単独使用 / 意味変化 / 意味縮小
- 現在の意味
- 食品包装用の薄い膜、包むこと
- 信頼度
- 有力
意味の変化
- 包むこと(wrap)
- ラップフィルム
- 「ラップ」が独立
- 食品包装用の薄い膜
包むこと(動作) → 食品包装用の薄い膜(モノ)
何からこぼれた?
デジタル大辞泉は「ラップ」の意味のひとつを「ラップフィルム」の略とし、「ラップでくるむ」という例を挙げています。同辞典の「ラップフィルム」の項にも、同じ意味の語として「ラップ」が載っています。後ろの「フィルム」が落ち、「ラップ」だけで膜そのものを指すようになりました。
元々どういう意味だった?
「ラップ」は英語 wrap に由来し、デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典はともに「包むこと」を第一の意味としています。「ラップフィルム」は、包むためのフィルムという意味の組み合わせでした。なお、商品名としてよく知られる「サランラップ」について、両辞典は商標名としています。辞典が「ラップ」を略として結びつけているのは「ラップフィルム」で、商品名の「サランラップ」からこぼれたという記述は確認できませんでした。
いつ独立した?
精選版 日本国語大辞典は、食品包装用の膜を指す「ラップ」の初出の実例として、中上健次『岬』(1975年)の「姉は、ラップで皿をおおう」を挙げています。「ラップフィルム」という形がいつから使われていたかは、現時点で確認できていません。
意味は変わった?
「包む」という動作を表す言葉が、包むための道具そのものを指す名詞になりました。精選版 日本国語大辞典は、包むことの例として「野菜をラップして冷蔵庫に入れる」を挙げています。日本語で「ラップする」と言えば、ただ包むのではなく、フィルムで包むことを思い浮かべる人が多いと考えられます。動作の名前と道具の名前が、互いに意味を支え合っている例です。
今はどう使われる?
「ラップをかける」「ラップで包む」のように、台所で使う透明な膜を指す言葉として使われます。カタカナの「ラップ」には、陸上競技のトラック一周(lap)や音楽のラップ(rap)など、語源の違う言葉も重なっており、デジタル大辞泉はこれらを別の見出しとして載せています。
なぜ定着した?
台所では「包むもの」と言えばほぼこの膜のことなので、「フィルム」を言わなくても通じます。毎日のように使う道具の名前として、短い形が好まれたと考えられます。
元の意味と今の意味
「ラップ」は英語 wrap に由来し、デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典はともに「包むこと」を第一の意味とする。「ラップフィルム」の「ラップ」は、フィルムの用途(包むためのもの)を表す部分だった。
- 食品包装用の薄い膜家庭で食品を包むのに使う透明な膜。「ラップでくるむ」など。
- 包むこと本来の意味。「野菜をラップする」のように動詞としても使う。
タイムライン
- 1975年食品包装用の膜を指す「ラップ」の用例。精選版 日本国語大辞典は中上健次『岬』(1975年)の「姉は、ラップで皿をおおう」を初出の実例として挙げる。
用例
残ったおかずにラップをかけて冷蔵庫に入れる。
作例・食品包装用の薄い膜おにぎりをラップで包む。
作例・食品包装用の薄い膜
出典
- 「ラップ」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典)コトバンク(小学館)(2026-10-09 閲覧)
- 「ラップフィルム」(デジタル大辞泉)コトバンク(小学館)(2026-10-09 閲覧)
- 「サランラップ」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典)コトバンク(小学館)(2026-10-09 閲覧)