マイルまいる
← milia passuum
「千歩」の「千」だった言葉は、こぼれて距離になり、やがてためるポイントになった。
- 元の言葉
- milia passuum
- こぼれた部分
- マイル
- 種類
- 部分抽出 / 単独使用 / 意味変化 / 意味拡張
- 現在の意味
- 距離の単位、航空会社のポイント
- 信頼度
- 有力
意味の変化
- 千の複歩(古代ローマの距離)
- 「milia」が独立
- 英語の距離の単位 mile
- 飛んだ距離に応じてたまるマイル
- 航空会社のポイント
千(の複歩) → 航空会社のポイント
何からこぼれた?
「マイル」は、ラテン語の「milia passuum(千の複歩)」の前半がこぼれた言葉です。日本大百科全書は、1000複歩を意味する「ミリア・パッスス」が起源で、この「ミリア」がマイルになったと説明しています。
元々どういう意味だった?
Online Etymology Dictionary によると、「milia」は「千」を表す「mille」の複数形です。古代ローマの1マイルは1000複歩(左右の足で一歩ずつ)で、約4,860フィートでした。「milia」は距離そのものではなく、数を表す部分でした。
いつ独立した?
Online Etymology Dictionary によると、「milia」はゲルマン語に入ったとき女性単数名詞と誤解され、古英語の「mil」になりました。ヨーロッパ各地で長さはまちまちでしたが、イギリスではエリザベス1世の時代の法令で5,280フィートと定められました。「passuum」が落ちた時期は、現時点で確認できていません。
意味は変わった?
「千」という数が、距離の単位になりました。さらに航空会社のマイレージサービスでは、飛んだ距離に応じてたまるポイントを「マイル」と呼ぶようになりました。ニューズウィーク日本版は、デルタ航空が2015年から特典航空券の算定を飛行距離ではなく支払った金額で行うと発表したことを伝えています。距離との結びつきも薄れつつあるといえます。
今はどう使われる?
日本では距離の単位としてより、「マイルをためる」「マイルで特典航空券に交換する」のように航空会社のポイントを指す場面で多く見かけます。乗りものニュースの見出し「飛行機の『マイル』ためてる?」(2019年)もその例です。
なぜ定着した?
日本ではメートル法が使われ、距離の単位としてのマイルになじみが薄いぶん、マイレージサービスのポイントという意味が目立つようになったと考えられます。
元の意味と今の意味
ラテン語の「milia」は「千」を表す「mille」の複数形。「milia passuum」は「千の複歩」、つまり左右一歩ずつを千回分歩いた距離のことで、「milia」は数を表す部分だった。
- 距離の単位ヤード・ポンド法の長さの単位。1マイルは1609.344メートル。
- 航空会社のポイント「マイルをためる」「マイルで特典航空券に交換する」のように、マイレージサービスでたまるポイントを指す。
タイムライン
- Online Etymology Dictionary によると、古代ローマの1マイルは1000複歩(約4,860フィート)だった。
- Online Etymology Dictionary によると、ラテン語の「milia」はゲルマン語に入って女性単数名詞と誤解され、古英語の「mil」になった。
- 1580年代Online Etymology Dictionary によると、英語の mile が「長い距離」の意味で漠然と使われるようになる。
- 2015年ニューズウィーク日本版は、デルタ航空が2015年から特典航空券の算定基準を飛行距離から支払った金額に変えると発表したことを伝えている。
- 2019年乗りものニュースの見出しに「飛行機の『マイル』ためてる?」とあり、ポイントとしての「マイル」が単独で使われている。
用例
飛行機の「マイル」ためてる?
Web・航空会社のポイントカードの支払いでマイルがたまった。
作例・航空会社のポイント時速60マイルで走る。
作例・距離の単位
関連するこぼれことば
出典
- mile (etymology)Online Etymology Dictionary(2026-10-06 閲覧)
- 「マイル」(日本大百科全書・ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)コトバンク(小学館・ブリタニカ・ジャパン)(2026-10-06 閲覧)
- 変質する「航空会社のマイレージ・サービス」その背景は?ニューズウィーク日本版(2026-10-06 閲覧)
- 飛行機の「マイル」ためてる? 交換最多は国内線特典航空券 効率よくためる方法は乗りものニュース編集部、乗りものニュース、2019-12-04(2026-10-06 閲覧)